プロジェクト管理のSaaS

Notionは中小企業に「結局」合うのか?2年使った正直な評価と料金比較

メモ・ドキュメント・データベース・タスク管理を1つにまとめられる多機能SaaS。導入から2年運用した編集部の正直なレビュー。

N
編集部おすすめ度
★★★★☆ 4.5 / 5.0
2年運用レビュー 料金:無料プランあり

「Notion を入れたら社内の情報整理が一気にラクになる」とよく言われる。実際そのとおりの面もあるし、導入の仕方を間違えれば1ヶ月で形骸化するツールでもある。この記事では、編集部が約2年運用してきた所感と、中小企業が導入を判断するときに見るべきポイントを正直に書きます。

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このSaaSでできること

  • メモ・ドキュメント・社内wiki
  • データベース(表・ボード・ギャラリー・カレンダー・タイムライン)
  • タスク/プロジェクト管理
  • 議事録・1on1ログ・採用パイプライン管理
  • Notion AI(要約・翻訳・文章生成・データベース内容のAI解析)

ざっくり言うと「Word / Excel / Confluence / Trello を1個のツールに圧縮した何か」。実際に触ると、最初は「自由度が高すぎてどう使えばいいか分からん」となる。これが Notion 最大のハードルです。

実際に2年使って便利だったポイント

バラバラだった情報が1箇所に集まる

これが一番大きい。導入前は議事録が Google Docs、タスクが Trello、社内マニュアルが SharePoint、新入社員向け資料がメール添付、という状態でした。Notion に集約してから、「あの資料どこ?」のやり取りが消えた。地味だが、月で数時間が浮く感覚はあります。

非エンジニアの巻き込みが楽

過去に Confluence と Backlog を併用していた時期があるが、営業や経理メンバーが「使い方が分からない」と離脱していった。Notion はトップページの作り次第で「この記事を読んで」「このリンクを押して」が誘導しやすく、IT 苦手なメンバーでも閲覧側には回ってもらえる。書く側に育てるには、別途テンプレート整備が必要です。

データベース機能が地味に強い

Excel をデータベースっぽく使っていた業務(顧客リスト、案件管理、タスク一覧)は、Notion のデータベースに置き換えると見通しが一気に良くなる。同じデータを「ボード(カンバン)」「カレンダー」「タイムライン」と表示切替できるので、営業はカンバン、マネジメントはカレンダー、と部署ごとに見え方を変えられる点が効きます。

Notion AI が「下書き製造機」として優秀

2024 年以降の Notion AI は、議事録の要約・タスクの抽出・英日翻訳が一発でできるようになった。会議録音の文字起こしを貼って「アクションアイテムだけ抜き出して」と頼むと、たいていそのまま使える。Notion AI は別料金(1人あたり月10ドル)だが、議事録だけのために契約しても元が取れる人はいます。

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編集部が運用設計するときに参照している1冊。データベース設計と API 連携の解説が実用的。

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微妙だったポイント

検索が弱い

全文検索はあるが、ヒット精度はそこまで高くない。「あの議事録、3ヶ月前の」を探すのに何度か検索ワードを変えるハメになる。ここは Confluence や Slack のほうがまだ強い印象です。

オフライン編集が実用域に達していない

モバイルアプリは Wi-Fi が切れた瞬間、書き込みが止まる挙動になる。出張中の新幹線で議事録を整理したい、という使い方は今でもストレス。これは2年使っていてもずっと不満が残っています。

真面目なガントチャートにはならない

タイムライン表示はあるが、依存関係や進捗率といった本格的な PM 機能は弱い。建設業や受託開発のプロジェクト管理を Notion 1本で完結させようとすると無理が出る。

権限管理が小規模向け

1人ずつページ単位で権限を付けていく設計で、「人事だけは見られる」「経営層だけは編集できる」を厳密にコントロールしたい中堅以上の組織だと、運用がだんだん重くなる。エンタープライズプランで改善はされているが、200名超えるなら最初から SmartHR + kintone のような構成のほうが楽です。

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向いている会社・人

  • 従業員30名以下のスタートアップ・士業事務所・中小企業
  • 紙や Excel・メール添付で情報が分散している組織
  • リモートワーク中心で、社内ナレッジを文章で残したい組織
  • 個人事業主・フリーランスの案件管理
  • 副業や勉強の進捗管理を1つにまとめたい個人

向いていないケース

  • 300名以上の中堅以上で、厳密な権限管理が必要
  • 建設・製造などで本格的なガントチャートが必要なプロジェクト管理
  • 完全オフライン環境での編集が業務上必須
  • 「マニュアルや手順書は紙で配布」が文化として根強く残っている組織

Notion vs Confluence vs Obsidian vs Backlog:用途別の勝者

用途おすすめ理由
全社wiki+タスク管理を1本でNotion守備範囲が広い
開発チームの仕様書・議事録Confluenceエンジニア文化と相性◎
個人の知識管理・PKMObsidianローカル保存・Markdown
プロジェクト進捗のガント管理Backlog課題管理+ガントが標準装備
AIで議事録要約・翻訳NotionNotion AIが標準統合
非IT部門への展開NotionUIが直感的

正直、社内の人数とフェーズで答えは変わります。10人前後のチームなら Notion 1本でだいたい間に合う。50人を超えてくると、「Notion + Slack + 専用 PM ツール」の組み合わせに進化していくのが自然な流れ。

料金比較(2026-05時点、公式pricingより)

プラン月額(年払い)主な内容
フリー0円個人向け。ブロック無制限だが、ファイルアップロード5MB制限、ゲスト10名まで
Plus1人 10ドル小規模チーム向け。ファイル無制限、ゲスト100名
Business1人 18ドルSAML SSO、プライベートチームスペース
Enterprise要問合せ監査ログ、SCIM、ドメイン管理
Notion AI別途 1人 10ドルどのプランにも追加可能

円安の影響もあって、10ドルプランでも実質1,500〜1,600円/人/月になる感覚(為替次第)。20人だと年間36万円前後。これを「高い」と見るか「Excel と Word とメール添付の管理コストより安い」と見るかは、組織次第です。

「結局どれがいい?」

  • 〜10名の小規模チーム:Notion フリープラン or Plus からスタート。1〜2ヶ月使ってみて、ファイル容量で詰まったら有料化
  • 30〜100名:Notion Plus + Notion AI を全員分。検索やプロジェクト管理に不満が出たら、Backlog や Slack を追加する流れ
  • 300名以上 or 厳格な情報管理が必要:Confluence + SmartHR + 専用 PM ツールの組み合わせを推奨。Notion 単体は厳しい

Notion は Plus プランを7日間無料で試せます(2026-05時点)。まずは管理職3人くらいで使い始めて、社内 wiki と議事録だけ移してみるのが、社内浸透の鉄板パターン。

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よくある質問

無料プランで会社用に使い続けられますか?

個人事業主や2〜3人のチームなら現実的に使い続けられます。ただしファイルアップロードが1ファイル5MB制限なので、画像や PDF の貼り付けが多い業務だとすぐ詰まります。本格運用するなら Plus プランへ。

スマホでも使えますか?

iOS / Android 公式アプリがあります。閲覧と簡単な編集は問題なし。ただしデータベースの構造変更や複雑なページ作成は PC 必須と思ったほうが楽です。オフライン編集はまだ不安定。

既存の Google Workspace と併用しても大丈夫ですか?

多くの会社が併用しています。メール・カレンダー・スプレッドシートは Google、ナレッジ・議事録・タスクは Notion、という棲み分けが一番平和な運用。Notion のページに Google ドキュメントを埋め込むこともできます。

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編集部からひとこと

Notion は「導入すれば解決」のツールではない。むしろ、最初の1ヶ月は「テンプレを作る・運用ルールを決める」という地味な作業が9割。逆に言うと、その地味な仕込みが終わると、3ヶ月後から「あ、Notion 入れて良かった」が来る。導入を急かして3週間で離脱した組織を何件か見てきたが、たいていは「テンプレを誰も作らないまま全員に開放してしまった」パターンでした。スモールスタート+テンプレ整備、これに尽きます。

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